最近は日常的に着物を着るという習慣が無くなっていますが、その分、着物姿は特別な価値を持っているような気がします。
着物でお店に入ると、案内の人もお料理を運んでくれる人も、皆親切に気遣ってくださいます。『汚さないように』といういたわりの心だと思います。
ファッションとしての着物は、まず目を引きます。洋服には無いインパクトで強く個性を出すことができます。様々な小物や髪型で色んな楽しみ方ができます。
夏は浴衣でお祭りに行ったり、秋は気の合う仲間と皆で着物を着て古都の散策を楽しんだり、お正月はご家族揃って着物で神社にお参り、など、着物を着る事でそれぞれの季節をより深く味わってみてはいかがでしょうか。
初めて着物をお召しになるときは、何を用意したらよいのか、洋服と違って着物のサイズはどうかなど、分からない事がたくさんあって不安を感じることがあると思います。
着物レンタルなどご利用であれば全て揃っていますので問題ありませんが、ご自分で用意される場合、着付けに必要な小物などは、初めてであれば名前を見ても、普段まったく見た事も無いような物であったり、とても分かりにくいため、着付けをお願いする方に相談されることをお勧めします。
又、お母様のお着物など、ご自分に合わせた仕立てでは無い着物をお召しになるときは、洋服のように細かな設定ではありませんが、着物にもサイズがありますので、裄(袖の長さ)が合っているか、身幅(横幅)は大丈夫か、また、身丈(長さ)はどうかなどチェックしてから、着物をお選びください。
着物には袖の長さや、柄の入りかた、また、紋の数などで細かな格付けがあります。
既婚か未婚かによっても決め事があります。
既婚の場合の第一礼装は黒留袖又は五つ紋付きの色留袖です。未婚の方の第一礼装は振袖や既婚の方と同じ色留袖になります。黒留袖と振袖以外に既婚、未婚、で区別すべきものはありません。
格の高い順に、
三つ紋以上の色無地→訪問着→付下げ→色無地→小紋→紬 となります。
着物の格は価格とは関係無く、柄付けと紋の種類、数などで決まっています。お召しになる場所やどのような状況、結婚式かパーティーかなどによって判断なさってください。